おくのほそ道シリーズⅢ 日光から西那須野へ

『おくのほそ道Ⅲ 日光から西那須野へ』

日時:2018年12月8日(日)
行程:57.7Km +431m (Strava による) 
コース概要:relive.cc/view/2007713898
報告者:YMCC 大湖 茂

YMCC「おくのほそ道」シリーズ、第3回は「日光から西那須野へ」です。
日光には多くの芭蕉句碑があるなかで、大日堂跡に建つ句碑を訪ねました。
大日堂は大谷川(だいやがわ)と荒沢との分岐近くに位置し、歩行者用に建設された吊り橋のたもとに所在します。

この日の行程は、日光大日堂跡から大谷川沿いに今市宿へ至り、日光北街道を経て下野国の大田原宿(現在の栃木県大田原市)をめざします。走行距離は約50km。帰路の自転車輪行を勘案し、JR東北本線の西那須野駅にて走了することにしました。

日光に向かう電車の車窓からの景色は,雲が低く垂れ込めており,天気予報は晴れですがあまり楽観は出来ないようです。

東武日光駅前にて自転車を組立てていますと、作業中に粉雪が舞い始めました。わたしにとっては今冬の初雪です。見上げると男体山が濃い灰色の雲に覆われていました。当駅の標高は約500mですから、このあたりが粉雪ならばお山はたいそう積もるかもと思いました。その雪が風に乗って舞い降りて,風花となって居るようです。

本日はランドナー、ロード、プロムナードの計3機が揃いました。

わたしは散歩用のプロムナード型自転車に搭乗しての参加です。この機体のギア比は、F48・39、R13~21としてクロスレシオに設定してあります。行程の大部が緩やかな下り勾配なので楽に行けるだろう。またフラットバーハンドルに手を掛ければ上体が立つので、エアブレーキ効果を期待しました。長い下り坂でもアップライトな乗車姿勢が空気抵抗となり、ブレーキレバーを強く握らずともゆっくり降下していくことができるだろうと考えたわけです。

木造朱塗りの神橋(しんきょう)から大谷川に沿って遡ること約2km。慈雲寺の山門をくぐりますと、憾満ヶ淵(かんまんがふち)に至ります。


数多くの地蔵様が静かに鎮座している光景は、わたしのような無信心な者でも心のなかで掌を合わせるほど厳かな佇まいでした。

さらに進み、コンクリート造の吊り橋「大日橋」を渡って対岸の大日堂跡に芭蕉句碑を訪ねました。



「あらたふと青葉若葉の日の光り」の句は、芭蕉が東照宮(家康公)を称え詠んだものとのことです。

これより標高にして約200m低地の今市方面に降りることにしました。再び神橋を通過し、県道247号を東武鉄道鬼怒川線「大谷向駅(だいやむこうえき)」へと向かいます。
下り勾配は意外と深く、空気抵抗どころか正面から冷風を受け下肢の筋肉がこわばりました。身体は過冷却となり、大谷向で昼食としたときには、口腔が凍えてパスタの温かさもよくわからないくらいでした。

行程も後半となりますと下肢も軽快になり、一行は矢板宿へと向かいます。この区間の使用ギアはF48×R17、クランク軸回転数は毎分70くらいの巡航が多かったです。上空は風が強いのか、晴れ間のなか時折り厚い黒雲が懸かると、再び氷の粒のような粉雪が舞うことがありました。

目標まであと約20km、矢板から西那須野へ向かう頃には路上も強風となり、那須連山から吹き降ろす北西風との格闘になります。ギアはずっと軽くしてインナー&ロー、すなわちF39×R21を用いました。アップライトな乗車姿勢は、期待以上に風圧抵抗を発生し、がっくり進行速度が低下しました。まあ季節は初冬ですからね、わたしたちの進行方向が北風と立ち向うのは致し方なしですか。

3機の小集団はゆっくりと西那須野駅に到着しました。これにて本日は走了です。
シリーズ第4回は、2019年1月「黒羽芭蕉の里」を訪ねます。

【YMCC企画「おくのほそ道」シリーズとは】
「おくのほそ道」シリーズは、芭蕉と曽良の旅を自転車で辿り追想しようという企画です。当クラブの企画は、会員のみなさんから行ってみたい所、走ってみたい道を募ります。リクエストに応え執行部が企画を具体化します。

【列車の「輪行適正」調査】
東武鉄道日光線日光駅には、JR特急「日光」253系車両が乗り入れているので大宮から乗車してみました。全車指定席の座席は足元が広く居心地がよいです。わたしは車両の後部座席を取得し、座席と隔壁との空間に輪行袋を収めました。背もたれを一杯に倒しても縦型に収めた輪行袋に干渉しなかったのは嬉しい驚きでした。ただし後部座席と車両隔壁との空間は乗客の共用部です。先客さんが大型スーツケースや折畳式の乳母車を置くのも自由です。たとえ後部席を指定席として取得しても、常にご自分の輪行袋を置けるとは限らないことにご留意ください。

他の置き場所として、車両の連結部にあるデッキを見ると適当な位置に手すりがありません。僅かに、先頭車両の乗降扉と客室隔壁との空間に帯状の金属板が渡されていました。この金属板は人の腰の高さに壁から浮いて水平に渡されているので、輪行袋の肩ベルトを挿し入れて固縛することができます。後尾車両も同様かと思います。6両編成の列車の各後部席に輪行袋小計12機分、先頭車両と後尾車両の隔壁に小計4機分、併せて16機分の置き場となります。座席表を見ると1、3、5、6号車には手荷物置き場があるようです。フレーム折畳式の小径自転車ならば、この空間にも収まるかもしれません。

輪行袋は、車両に固縛しないと列車の発車停車の挙動で倒れてしまい、乗客に危ないことこのうえないです。ゆとりある快適な客室なのに、列車内に輪行袋を置く場所が限られることは少なからず残念に思いました。JR東日本社には、各車両のデッキ部にも手すりを水平方向に渡すことを提案します。これならば費用も最小限で済むと思いますし、自転車愛好家の乗車を誘い旅客収入も増加すると思うのですけれど。
以上

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  1. 結構走りましたね。お地蔵さんがかわゆうございます。

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