自転車は車道の左側を走ろう 本日はやたら歩道走行が多いなあ。
このときは自動車通行の多い車道を逃れ、微速で遠慮がちに歩道を進んでいました。
前方を行く本隊とは大きく離れてしまいましたけれど、わたしは慌てず歩行速度で真夏の空気のなかを泳いでいきました。
わたしは自分の自転車が歩道走行には向いていないことを熟知しています。
わたしの搭乗する機体はホイールベース(前後車輪の車軸間距離)が長く、旋回半径が大きいので、歩道のような狭い空間では軽快な運動ができないのです。
まもなく横断歩道と交差する地点で、対向する歩行者が急いで道路を渡ろうと駆け出しました。
わたしは緩く進路変更して歩行者を左にかわしました。 次に後続のもうひとりも駆け出しました。
手にしたスマホ画面を見ながら走るので、まったくわたしに気付かず接近してきます。
歩行者に声を掛け制止するのはためらわれました。
わたしは衝突を回避するため、両手のブレーキレバーに掛けた指を即座に絞りました。
たぶん利き手の右前ブレーキがすこし強かったのでしょう、わたしは機体ごとゆっくりと前方へ一回転し、歩道上に墜落しました。宙返りの瞬間に見た猛暑の太陽が眩しかったです。
あーやってまった、それでも歩行者に接触しなかったので良しとしよう。
身体の右側面を打撲し、ボトルの水がこぼれて脚を濡らしている。
幸い頭を打たなかったのは、ハンドルから手を離さなかったからです。
右肩肘に打撲痛を覚えますけれど、手足に外傷はないようだ…。
横たわったままでは二次災害を招くので素早く起き上がりました。
墜落の衝撃音が大きかったのか、思わず上げたわたしの悲鳴が驚かせたのか、当事者はそのまま走り去ってしまいました。
それでも目撃した周囲の人々が集まってきて、安否の声を掛けてくださったのがありがたかったです。
誰も巻き込まず単独事故に治めたことを確認し、再び熱い空気のなかを泳ぎ出しました。
しばらく走りながら点検すると、ハンドルが左側へ大きく回っていました。
ふだんは、人力ではハンドルを動かせないよう、ステムの引き上げシャフトを締めあげているにもかかわらずです。
また右ブレーキを握るフーデッド部も、強打の衝撃で内側に向いてしまいました。
この部分も工具できつく締め付けていたのですけれど。
さらにバーコン(ハンドルバーエンドコントローラーの略:変速レバーをハンドルのエンド部に埋め込んだもの)の台座が、左右両方とも平行して回転していたことに衝撃の強さを実感しました。
歩道は歩行者のもので、車道から追われた自転車は歩行者にとって侵入者です。
自転車は、歩行者を最優先して歩道を通行させていただきましょう。
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