能登半島一周サイクリング
梅雨入り覚悟の6月末に,藤本・池浦のコンビで能登半島一周のサイクリングに行きました.
コース概要:能登空港に空路で入り,輪島から時計回りで一周し,穴水より鉄道で帰京.
(Lezyne GPSのログによる)
[Day-1]
羽田より一時間弱で能登空港に到着.輪行袋を受け取り,ターミナルビル前の駐車場で組み立て.
外人の家族5人が,出迎えの日本人ガイドに連れられて,荷物は自動車に積んで我々の近くに用意された自転車にて身軽に出発.サポートカー,ガイド付きのカスタムツアーらしい.
写真は6台の自転車(5人+ガイド)とサポートカーのスタッフ.
空港から出発,一路,輪島までの下り基調の道を走る.
朝市は終わっているが,まだ開いている食堂にて昼食.ブラブラ歩きをしていると,ゴルフカートが運転手付きで走り回っている.「WA-MO(ワーモ)」と呼ばれ,一部区間では有人だが自動運転している.車体は電動ゴルフカートそのもので,路面に誘導線を引いて,それに従い発進・停止も自動とか.日本で3地域が選ばれて,無料で試験運行中らしい.
お勧めされた漁港に行ってみたが,別に普通の漁港だった.
朝市の通りの輪島塗のお店に入り,藤本さんは奥様に棗(茶道の道具)を買おうかと物色.スマホで写真を撮っては奥様に送り,結局沈金の一品を購入.こちらは見ているだけでは詰らないので自分用にぐい飲みをゲット.すると藤本さんも自分用に同じシリーズのぐい飲みも購入.
キリコ会館の傍のレストランに夕食に入ろうかと思ったら,観光バスの団体さんが入ったので回れ右.(キリコとは,能登における祇園祭の山車の様なもの)
輪島塗の店で教えられた居酒屋に向かう.二人で店を探していたら,聞きつけた地元の人が,「あの提灯」と教えてくれた.地元でも有名なようだ.ノドグロを始め旨い魚で地元の日本酒を飲んでいたら,店の親父が「そのぐい飲み,幾らすると思う?」.私:「2万円」,親父:「その3倍以上」,私:「!!!」.何かの折に6種類の異なる絵柄で作られたそうだ.
後で勉強したら,輪島塗は,その木地,下塗り,上塗り,加飾は沈金か蒔絵,と厳密な決まりが有り,手間のかかること想像も出来ない代物だと分かった.
ともあれ,美味しい酒と肴で本日走了.
[Day-2]
今朝はまず朝の朝市めぐりから.昨日空港で見かけた外人の5人家族もガイドに案内されて散策中.朝が早いのでまだ人影もまばら.左の違和感のある洋館は没落した企業の遺物.
朝市の中には,買った魚でバーベキューできる休憩所もある.
朝市から真っ直ぐ抜けると,立派な神社.
その近くには,伝統工芸を体験できる「輪島工房長屋」.
これで輪島から出発,半島を北上,東に回り南下して,珠洲温泉を目指す.
最初は千枚田.有名人が田植えをした一枚とかもあるが,ボランティアの力も有って維持されているとか.
次は塩田.古来の方法で天然の海水から塩を作る.
この辺から曽々木海岸の景勝地が始まる.
まずこれが「窓岩」.
岩窟不動とか,海岸の景勝地があるようなので,旧道に入る,が・・
通れない.
この漁師さんに聞いて,通り抜け出来ないのを承知で更に古い道を歩いて入ってみる.
なぜか.「せっぷんとんねる」.
結局,道路は崩壊していて行き止り.
途中,見える穴の奥が岩窟不動,見える橋げたは通行止めの旧道.
新道のトンネルを抜けて振り返ると,先ほどの崩落の辺りが見える.
上の山には「垂水の滝」らしき滝.
更に塩田,そして資料館.
ここで塩のジェラートで休憩.
あまりゆっくりせずに先を急ぐ,地図では九十九折れの急坂が待っている.
折り返しの前に最大勾配10%の標識,その先には最大11%.かなり長い坂を登りきると.その上にレストランがあり,ゆっくりと昼食.でまかせ膳,と称する日替わりランチ.
後は淡々と走り,今日のゴールの見附島に到着.
島の周りは大きな公園.この辺りにホテルがあるはずが,見つからない,と思ったら,この売店のすぐ裏が目的のホテル,のとじ荘.看板が全く無くて発見できなかった.
部屋は自転車を持ち込んでも一人にしては充分すぎる広さで,ベッド2台の他に畳の座敷が付き,窓の外はすぐに見附島.
ゆっくり温泉に入り,夕食で本日走了.
[Day-3]
朝食も純和風で,ビジネスホテルのバイキングに慣れた目にはこれも新鮮.
見附島まで歩いてみるが,途中で島までは行けない事が分かり,引き返す.
海の透明度が印象的.
宿から出発,隣接する公園の一角に日時計か何か,正体不明のモニュメントを発見.
見附島とはお別れだが,こちらから見ると普通の島.
少し行くと,「恋路海岸」.この辺りに「のとろ」と言うトロッコ列車があるので,寄ってみる.
駅にいた方に伺うと,この路線は廃線になり,レールも全て撤去されていたが,この地の酒蔵(酒造メーカー)が再建し,観光トロッコとして営業していると.
人力トロッコで,乗った人が漕ぐと聞いていたが,今は電動アシスト付きで楽に走れるそうだ.
枕木一本一本に寄付をした方のネームプレートが付いている.
恋路海岸のモニュメントが有る.
ここからは細かいアップダウンが連続し,徐々に磨り減ってくる.
途中で向こうから来るバスが2台,子供達を満載して右折して行くので,ついて入ってみると,「のと海洋ふれあいセンター」を発見.
海中に生簀の様な観察用の仕切られた区間も有り,色々と体験学習が出来る.
ここから又,標高差50mとか30mの細かいアップダウンの連続.結構な分岐があり,ナビが必要と実感.
次のポイントは,縄文遺跡.山の中かと思ったら,海岸から大した登りでもなく拍子抜け,でも疲れた身には安堵.
この広大な土地の下に遺跡が眠っており,発掘が済んだのは5%以下で,全部では百年以上かかる大事業だと.この下の地層に,縄文の初期から各時代の遺跡が層を成して保存されている非常に貴重な遺跡なので,なまじ拙速に発掘するより,条件の良いまま埋もれさせて置くのが今は最善とか.
ま新しい「真脇遺跡縄文館に入る.
この丸太や切り株は,研究者が,石斧を使って何分で切り倒せるか実験した実物.6000回弱の石斧の切り込みで倒れた,とか色々と実際に再現実験をしてデータをとったとの事.
展示物の多くが重要文化財.直接こんなに多数を見られる場所は少ないそうだ.
この後は淡々と海岸線を進み,目的地の穴水に向かう.
これは「ボラ待ち矢倉」.見張り台を再現してある.
穴水駅に到着.列車の切符が買えるか確認すると,現金でなら東京までの新幹線含めて通しの切符が買えるとの事.中軽井沢では軽井沢からの切符が買えないのと比べると大きな違い.同じようにJRから分離された私鉄路線でも,JR東と西の違い?
コンビニで買い物をしてホテルに向かうと,最後にホテルまでの登りの激坂,お仕置き坂が待っていた.青息吐息でホテルにチェックインして走了.高台なので眺めは最高.
豪華に夕食,氷のシェルのお刺身が良い.
日本酒も錫の器.これは錫? と聞いたら,珠洲(スズ)市の産物かは分からない,とすれ違った.
[Day-4]
天気予報が,熱帯低気圧が接近のために梅雨前線が刺激され大雨の可能性,と告げる.今日は能登島経由で七尾まで走り,鉄道で帰京の予定を短縮し,穴水から輪行して帰る事に変更.
朝食も純和風.
泊まったホテルは,「能登牡蠣の宿 キャッスル真名井」だが,外観はキャッスルと言うより日本の「城」のイメージ.
レンタル自転車の並ぶ穴水駅より単線,一両編成の列車にて七尾まで向かう.
七尾駅より,特急サンダーボルト大阪行きで金沢駅に,そして新幹線で東京に向かい,完了.
奥能登は人も,人工物も少なく,海は澄んで絶景.車も少なくて走りやすい,安全で楽しく走れる旅でした.
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